古代ギリシャの哲学者、アリストテレスは
「我々の達成しうるあらゆる善のうちの最高のものは、幸福にほかならない」
と、考えていたそうです。
アリストテレスの生きた時代とは、社会も価値観も大きく異なっているであろう現代においても、多くの人が求めているのが「幸福」。
そして、私たち一人一人がこの世界に存在している理由も、
「幸福に生きるため」
にほかならないと、私も思うのです。
では、そのためにはどうするのが良いのでしょうか?
幸福を増やす前にすること

幸せに向かうための第一歩は、ヒーリングの手法の中にヒントがあります。
ヒーリングではさまざまな高次のエネルギーを使うのですが、そうしたエネルギーを送る前に必ずやることがあります。
それこそが
不要なエネルギーを手放し、浄化する
ということ。
私たちは現状、誰もが「いっぱいいっぱい」なので、今よりもより良くなるための変化を起こそうと思ったら、そのまま新しいものを入れようとしても入りません。
最初に手放して、スペースを作るということが不可欠です。
そうやって空いたスペースができてからじゃないと、高次のエネルギーが入っていかないからです。
幸福に向かって進む道もこれと同じです。
すでにいっぱいいっぱいになっているキャパシティに、さらに「幸福」を注ぎ足そうとしても入る余地はありません。
まずは
自分を幸福にさせないものを取り除くこと
が必要なのです。
自分が不幸を感じるものを抱え続けたまま、幸福になることは不可能だからです。
毎瞬、毎秒、自分の内側と向き合う

まず私たちが幸福になるために始めるべきことは、毎秒、毎瞬、自分の感覚に気づいていくことです。
自分はどんな時にご機嫌でいられるのか? 何をしている時に嫌な気持ちになるのか?
今どう思ってる? どう感じてる? 好き? それとも嫌い?──というふうに。
そして大切なポイントがあります。
自分の感覚を探っているときに
「私は○○○と感じているんですが、これって合ってるんでしょうかねー?」
と、自分の外側に答え合わせを求めないことです。
あなたが何を感じているのかはあなたにしかわからない。
あなたが感じたものはあなただけのものである。
あなたがそう感じたということは、絶対的な真実。
これをしっかりと心にとどめておいていただきたいと願っています。
何であれ、あなたが感じた瞬間、それがあなたにとっての正解です。
自分を幸福にさせないものに気づいたら…

そして自分を幸福にさせないものに気づいたら、今度はていねいにていねいに、それを手放していく、減らしていく、なくしていくことに取り組むようにします。
このときたとえば
「皿洗いは自分を幸福にさせていない、むしろ皿洗いをすることはストレス。でも自分以外にやる人がいないから皿洗いをやめるのはムリ!」
という考えが出てきたりすると思います。
いきなり唐突に、「今から金輪際、もう一生皿洗いしない!」というのは無理でも、1gずつ、1mmずつ、1%ずつ減らしていく工夫をするのがポイントです。
例えば……
- 洗う食器を1枚ずつ減らせるような工夫をする(献立や盛り付け方)
- お皿にラップを敷いて洗わなくても大丈夫にする
- 紙皿を使う
- 食洗機を買うことを検討する
- 家族に頼む
- 家事代行を頼む
こんな感じで、ちょっとずつちょっとずつ減らしていくわけですね。
新しいものを始めたり、何かをすることよりもずっとずっと、これまでやってきたことをやめたり、何もせずにいることの方が難度が高いことなのです。
減らしてみて、その結果
「いややっぱりこれはやった方が自分の幸福度に貢献するわ。減らしてみたら逆にイマイチだったわ」
となれば、元に戻せばいいだけですから。
その時には、以前のようなストレスフルな気持ちで皿洗いをするのではなく、自分で選んでやっているという気持ちでできるので、ずいぶん気持ちが変わっているのではないでしょうか。
「なんか違う」の「なんか」ってとても大事

そして大切なのは、この「内側の感覚への気づき」をどれだけていねいに細やかにしていくかということです。
本当に毎秒、毎瞬、
「今私はどう感じている?」
「これは好きなこと? やりたいこと?」
「何か違和感はない?」
というふうに、解像度を上げて自分の感覚と向き合うことが大切です。
ちょっとした「ん?」と思うことや、「なんか違う……」の「なんか」こそが鍵だったりしますから、本当に自分の内側に意識を向けて、自分の感覚とつながり続けてください。
そしてどんなものであっても、あなたが感じたものがあなたの正解だということを心にとどめておいてください。