自分のエネルギーと他人のエネルギー
ヒーリングを学び始めて一番驚いたのは、「自分のエネルギー(生命力)」と「他人のエネルギー(生命力)」とを明確に区別してしっかり分けるように徹底されていたことでした。
そもそも「自分の生命力だけで満たされた状態になる」というのがヒーリングの目的なのですから、その徹底ぶりは理にかなったことだったのです。
人は自分自身の生命力で満たされた状態でいるときに、最も生き生きとし、健康で望む人生を創造する力が持てる
この考えに基づいて、ヒーリングでは自分の中に残っていた他人のエネルギーを浄化してお返しし、また同時に自分がほかの誰かの中に残した生命力も浄化して取り戻すということを続けていきました。
それまで「自分のエネルギー」と「他人のエネルギー」の区別なんて、そもそも考えたことすらなかった私にとって、これはなかなかに新鮮な体験でした。
愛情から出たエネルギーでもエラーを起こす
そしておもしろいのは、自分の中に入り込んだ他者のエネルギーは、たとえ愛情から出ていたものだったとしてもそれがあることで自分の人生がうまく立ちゆかなくなってしまうということです。
これは親子の間で特に起こりやすい問題ではないでしょうか。
たとえば親が自分の子どもに対して、
「安心して生活できるように、大企業に就職してほしい」
と思っていて、そのエネルギーが子どもの中に入っているようなケースです。
親は本心から子どものことを思って、子どもの人生が安寧であることを願い、
「就職するなら大企業」
と考えています。
いっぽう、子どもは
「大企業よりもベンチャーの方がずっとおもしろそう」
「就職する前に海外に留学して世界を広げたい」
「それよりも起業したい」
などなど、親とは異なる考価値観やビジョンを持っているかもしれません。
しかし親のエネルギーが子どもに入っていると、こうした考えを抱くこと自体に子どもが罪悪感を感じてしまったり、親から人生の方向性を強制されているように感じて反発したりします。
あるいは、「親は自分の理解者ではない」と思ってしまうこともあるでしょう。
そして、親もまた、自分自身の生命力の一部を子どもの中に残していることで失っているのです。
ですから親も、不完全で自分が満たされていない感覚、人生が自分のものではない感覚を持って生きていくことになってしまうのです。
つまり、誰も得をしない!
エネルギーを分けること=自分を知ること
そして自分自身のエネルギーと他人のエネルギーを分けていくということは、つまり、自分自身を知るということでした。
最初のうちこそ、エネルギーを分けるとか、相手のエネルギーを返すことに対して
「冷たい人になったみたい」
という罪悪感を感じたりもしたのですが、どんなにがんばっても私たちは他の誰かの人生を生きることなんて、どのみちできっこないのです。
案の定、私の中にはたくさんの家族のエネルギーが入っていたし、私もまた多くの人たちの中に自分の生命力を残したままにしていました。
それらを浄化してお返しし、浄化して取り戻す。
これを繰り返していくうちに、
「なんか、自分がちゃんと存在している」
「ちゃんと生きていられている」
そんな感覚が内側に増えていきました。
そういう変化が積み重なっていき、あるときふと気づくと、それまであった家族の間でお互いを束縛し合うような関係性がスッと軽くなっていることに気づきました。
また、仕事やプライベートなど、それ以外の人間関係も驚くほど良くなっていました。
以前は他の人の感情や価値観に振り回され、人に合わせようとすることに必死で、いつも疲れ果てていたのですが、お互いの良いところを見てリスペクトし合えるような関係性がどんどん増えていったのです。
「これはすごい。
あんなに疑いだらけで始めた学びで、しかも目に見えないエネルギーに働きかけるだけでこんなに実際の現実が変化するなんて。
これは私以外の、多くの人にとって役に立つことなのではないか」
そう思った私は、ヒーリングの学びを始めた3年後の2008年に、スピリチュアルセッションを提供するサイト「エンジェルフォレスト」を立ち上げたのでした。
そして幸いにも起業当初から多くのお客様に恵まれ、たくさんの方にヒーリングをはじめとするスピリチュアルセッションをご提供する機会を持つことができました。
これにより、私の気づきはまた新たなフェーズに入っていくことになるのでした…。
続きます。