誰かの言葉や行動、またはSNSの書き込み、あるいは政治家の不正や著名人の不倫のニュース…。
そうしたものに触れたときに怒りが湧いてきたとか、ムカついたという経験はありますか?
生きていればおそらくほぼ全員に大なり小なり、こうした経験があると思います。
怒りやイライラのきっかけは…
何かにイライラしたとき、私たちは、誰かの言動や自分が見聞きしたものが自分を怒らせたのだと考えます。
たとえば遅刻をしてきた部下に対し、ムカッとなって嫌みを言ってしまったとき。
部下の遅刻が自分の怒りの原因だと私たちは考えがちなのですが、でも、実は「部下が遅刻した」は「きっかけ」に過ぎないのです。
本当の原因は、もっと昔に作られている
本当の原因はもっともっと心の深いところにあり、部下が遅刻するずっと前、さらに昔に形作られているのです。
でも、「部下の遅刻」が「ただのきっかけ」だなんて、私たちはなかなか思い当たれません。
「だって現に遅刻は悪いことだし!」
と、正当な怒りの理由がありそうに見えるからです。
そして怒りを抱えている私たち自身も、至極まっとうな、正当性のある怒りだと感じています。
しかし、怒りを感じている自分の心をよ〜く深〜く見ていくと、たとえば子どもの頃に
「他人に迷惑をかけるべきではない」
と、強く強くしつけられ、自分を厳しく律し続けて
「絶対に遅刻などしないようにせねば」
という強い思いを内在化させているといったことが考えられます。
そして強く自分を律することが、実は自分を苦しくさせているということに気づかずにいるので
「こんなにも自分はがんばって自分にむち打って遅刻しないでいるのに、そのタブーを犯しているあいつは
許せん!」
と、怒りが爆発してしまう、みたいなケースが考えられます。
(すごーく単純化して書いています。一例です)
トリガーが減ると、敵も減る
「部下の遅刻」というイベントがトリガー(引き金)となって、抑圧していた自分の悲しみ、無価値感、怖れなどが刺激されてイライラや怒りといった感情が表出します。
本当は、部下が遅刻したというできごと自体に意味はなく、この時に本当に自分の内側で起きているのは、過去の傷が逆なでされていることです。
そこでスターライトヒーリング®では、感情を入り口にして心の中を掘り下げていき、怒りを引き起こした本当の原因を「迎えに行ってあげる」ようなことをします。
すると、幼少期の辛かった記憶や自分に課していた厳しさが癒やされて、自分自身に対しても深い思いやりが湧いてくるようになり、怒りを引き起こしていたトリガーを一つ解除できるのです。
トリガーが減れば、私たちが「敵」とみなしていたものが一つ消えます。
そしてそのぶんだけ、世の中が生きやすい場所になっていきます。
ですからネガティブな感情は悪いものではなく、私たちの心がもっと自由になれる「伸びしろ」を教えてくれているのですね。
Photo: 葉月